4月から実施されるグリーンシートの制度改正で、『エマージング区分からオーディナリー区分に移行する判定基準に「売上高」と「営業利益」を加える。』ことになります。
オーディナリー区分は2005年4月から新設された区分で、「証券会社による審査を行った結果、グリーンシート銘柄として適当であると判断された企業が発行する株券等を指定する銘柄区分」とされています。従来からのエマージング区分が「証券会社による審査を行った結果、成長性を有する等によりグリーンシート銘柄として適当であると判断された企業が発行する株券等を指定する銘柄区分」ということですから、その違いは「成長性を有する等により」の部分です。
このオーディナリー区分新設に伴い導入された制度が「エマージング区分指定の際に会社内容説明書に記載した経常利益の計画数値の5割以上が達成されなかった場合は、オーディナリー区分に移行する」というものでした。今回の改正で、経常利益のみだった判定基準を、「売上」と「営業利益又は経常利益」がともに5割以上未達成の場合に変更、つまり3項目のどれかが達成していればいいというように緩和されました。
基準が緩和されたものの、この判定基準は事業計画の達成率を判定しているものですから成長性の判定とは直接関係ありません。事業計画の確然性を発行会社に求め、事業計画の信頼性を高めるよう発行会社を牽制するあるいは懲罰的な制度といえます。
事業計画の達成率なら誰でも計算できますし、達成率50%を境にエマージングとオーディナリーに分けても投資家にとって大した意味はありません。発行会社の事業計画がどのような背景で作成されたのか、その十分な根拠の開示とその進捗状況の開示が投資家にとって重要なのです。
発行会社が会社内容説明書に記載する事業計画の前文には「事業計画の作成にあたっては、取扱証券会社及び監査法人による指導・審査・監査は受けておりません。」との但書が必ずあります。事業計画の作成責任は全て発行会社にあるということです。事業計画を投資家に対し開示する責任の重さを考えれば、事業計画に関する情報開示を詳細に説明する責任を課すようにすることが最も投資家の信頼を得る方法です。形式的に数字を並べて図や画像を多用した事業計画を作成しても、それを達成できる根拠が投資家に伝わらなければ投資家は事業計画に懐疑的になります。
フェニックス区分登録の厳格化と合わせて考えると、グリーンシートに銘柄区分を設ける必要があるのか疑問です。成長性のある企業に投資したいと誰もが考えていますが、投資家が成長性を判断するための情報開示の努力を怠っているようではリスクマネーは動きません。
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